占術というと、「当たる八卦当らぬも八卦」といった頼りないモノを経営に使うことなど出来ないという経営者の方も多いと思う。

もちろん、それは無理からぬ事だ。
占術が、どれほど当てになるのか、演繹法では証明ができないからだ。

生年月日が、その人の健康や性格にどれほどの影響を及ぼすのかという定理や法則は、科学的には存在していない。
というか、証明しようと論文を発表している人がいないからだ。

しかし、帰納法を使うとすれば、話は違ってくる。
生年月日と、性格や健康が、一定の相関関係があると、経験的に言えるのだ。

その一端をご紹介しよう。

それは、私が占術を知らなかった頃の事。
私は、ある会社のアルバイト採用を一手に任され、都合100名程のアルバイトを採用しました。
サービス業でしたので、コミュニケーション能力があるか、笑顔ができるか、奉仕精神がありそうかなどの項目をチェックしながら、慎重に面接を行ったものです。

採用した、メンバーは、お互い仲の良い子が多く、和気あいあいとした雰囲気の社風が出来上がりました。

しかし、ここで問題となったのが、以前の採用担当者が採用した旧来からの社員と、新しい子たちが、あまり仲が良くなく、古いスタッフの退職が相次いだのです。

まあ、新しい社風への新陳代謝だと、その時は考えていたのですが、これには、大きな理由があった訳です。

この時は、占術でコミュニケーションタイプが分類出来ることを知らなかった訳ですが、後になって調べてみると、採用した子達は、なんと3/4が私と同じコミュニケーションタイプでした。そして、従来から在籍していた子達は、全く異なるタイプの子達。タイプが全く違っていた訳です。

私は、自分が理想だと思う社風を作るため、本来、人口の1/3程度しかいない私と同タイプの人を、私は無意識のうちに、数多く採用してしまった訳です。

今であれば、履歴書に書いてある生年月日をもとに、求める人材像に適合するかどうか予め判断した上で面接を行うことが出来るので、短い面接時間では見抜きづらいその人の本質をつく質問が出来るようになり、目的に合わせたタイプの人材を採用できますが、その当時はそんな事を全く知らず…
確かに、和気あいあいとした雰囲気は良かったのですが、内容やプロセスにこだわる子が多く、スピード感の足りない組織が出来上がってしまったものです。


ちなみに、私が、無意識に「この人良いな!」と思うのは、自分の素質に全く持っていないタイプである「直感大物志向」を持っている人。
じっくりと一緒に仕事をしていきたいと思うのは自分と同じ「人柄プロセス志向」を持っている人。
仕事上で頼りになるな!と思うのは「結果効率志向」の人です。


人の採用にも、占術は、大きく役立つのです。